アート・ル・シティ

「ゲストもキャストも楽しめるアーティストのテーマパーク」を創るべく奔走する市長・白鷺桜優(シラサギサクヤ)の雑多な日常。芝居をはじめとにかくアーティストとして生きながら、普通の女の子としても生活をレポート。アート・ル・シティの都民のポップでハートフルな物語もお送りします♪

ストロベリームーン

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月の満ち欠けは常々、恐ろしいものだと感じる。

 

先ほど、私は「ゆずのジュースを寒天で固めてドレッシングにし、かっぱえびせんを入れたサラダ」に食べ飽きて「チーズでくるめばなんとかなるんじゃないか?」という仮説のもと、買い物に行っていた。

 

「なんでそんなもの作ったんですか?」

秘書である彼女は大変、呆れ顔である。

「だって『プロジェクトE』のときのものだから、ちゃんと食べきりたくて…」

「それにしても、かっぱえびせんはやりすぎでしたね」

「うん…でもチーズ作戦は成功した」

 

『プロジェクトE』…もうただひたすら勢いで始まり、現状お蔵入りしている「アート・ル・シティ」最初のプロジェクトであり、現在の最高位目標となっている。

 

「で、執務に手がついていないのは?」

「いや…『E』のことで、ちょっとね」

「彼がどうかなさったのですか?」

「時が満ちるのは、思った以上に早いのかもしれないなと思って」

 

秘書はピンと来ていないようだった。

当たり前だろう。私だってよくわかっていない。

ここで『E』と呼ばれる存在は、この都市の創始に関わる人物だ。

 

大体の状況を察した彼女は口を開く。

「なんにせよ、焦ったところで仕方がないのではありませんか?」

そしてきっぱりと言い切る。

「もう既に『E』は貴方のものです。計画通り、進めるまでだと考えますが」

「そうだね。いつか私の手で還すけど」

「それよりもさっさと都市の整備をしていただけませんか?」

「ごめん、ごめんわかってるって。結構壮大なんだよ? この作業」

 

…言い訳無用である。

 

あの人はなんだったんだろう…?

あそこにいたのが『E』ならば…今、光るものは変わっていた。

もしそうなら、本当に時がたつのは早い。焦りしか感じない。

 

いや…『E』のときもそうだった。

まるでバトンを渡すかのように、かつての人に会う。

あのときも、6月だった。

 

また、新しい物語が、私とこの都市が待っている――。